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御室から心字雪渓を経て鳳来山へ 〜鳥海山の旅3〜

2日目:御室→七高山(2229m)→行者岳→伏拝岳(2159m)→心字雪渓→河原宿→滝ノ小屋→横堂→鳳来山(858.1m)→鳥海山荘(泊)

 

御室小屋(山頂小屋)に泊まる登山者は皆さん翌日は下山のみなので、わりにノンビリしています。

でも早々に就寝したのもあって3時に目が覚めた私は、4時前に起き出しました。

夏山は雲が湧く前の景色が美しいし、早く出るために朝食を頼まなかったので、自分時間で行動を開始できます。

山の上でも、下界でも、朝の時間は値千金。

 

↑外輪山の稜線に上がり雲を下に眺める

 

小さなパンを2つ食べ、身仕度を整えて5時前に出立。

短い雪渓を渡り、外輪山の稜線に上がる急坂を落石を起こさないよう慎重な足運びで登ります。

 

↑朝露に濡れるイワギキョウ、イワブクロ

 

稜線に上がり、まずは七高山(しちこうさん)を往復。

七高山からは近隣の山々と日本海が広がり、抜群の見晴らし。

先客がバーナーで朝食作りをしていて、私もここーヒータイムにしようかなあ?と思ったけれど、それはもう少しあとにとっておくことにします。

 

↑七高山より

 

外輪山の稜線歩きは、この山旅のハイライトで、景色を楽しみながら、大切に歩きます。

 

↑御室小屋。お世話になりました

 

コーヒータイムにするよい場所を考えながら歩き、結局、分岐点になる伏拝岳で落ち着きました。

 

↑外輪山からの眺め

 

昨日から大事に少しずつ使ってきたステンレスボトルの湯はまだ湯気が上がるほど温かく、熱々の湯を詰めて下さった象潟(きさかた)の宿のかたに感謝しました。

それを担いできたバーナーを使って温め直し、コーヒーを淹れ、鳥海湖を見納めます。

稜線から下る方面は雲に覆われているので、下るのが勿体なく、1時間くらいここで景色を観ながら次の休憩で沸かし直さなくてすむよう残りの湯も熱々に沸かして詰め直したりメールしたりして過ごしました(稜線上は圏内でした)。

 

↑鳥海湖を見納める

 

で……、ここではた!と思い出しました。

私が鳥海山を夏に計画したのは、固有種のチョウカイフスマを見るためだったということを……!!

チョウカイフスマは大物忌神社(おおものいみじんじゃ)の裏辺りに咲いているという情報でしたが、私ったら、新山では岩との格闘に集中していたし、終われば鳥海山最高峰登頂に安堵して、すーっかり、チョウカイフスマのことを忘れてしまったのでした( ̄ ̄;)!!

貴重な、数日しかない、夏休みの2日を使い、移動だけで半日以上かかり、交通費も宿泊費もいつもの山旅より倍以上かかっているというのに、上位にあった肝心の目的を果たさずにこれから下山することになるとは。

戻っても1時間ほどだけど、外輪山までの急坂をもう一回登るなんて根性は、ない。

もう一回来なさいという山の神の思し召しかなと、忘れん坊を神様のせいにし、下りに入りました。

 

↑ハクサンジャクナゲがたくさん咲いている

 

↑ミヤマキンポウゲ

 

稜線から外れ、湯ノ台へ向かう道に入ると、丈が長く朝露をまとった草でズボンが濡れてきたのでレインウェアの下をはきました。

どんどん下り、心字雪渓に出てきます。

矢印とロープがあるけれど、足跡がまったくついていません……!

雪渓が大きいし、霧で対岸が見えていないので、本当にここでよいのだろうかとしばらく待機していたら、登ってくるかたがいて確認できたので、雪渓に入ります。

 

↑2回目の雪渓

 

渡り始めると、下流で渡っている人の姿も見え、皆さん自分でなんとなく渡ってしまうので、踏み跡がないのかなと思う。

みんなが同じコースで渡ると足場が平らになって歩きよいのにと思いながら私はロープどおりに進路をとりました。

そのあと、再び大雪渓が現れ、こちらは雪渓入り口にペンキで書かれた矢印があるだけで、ロープはなく、やはり足跡もまったくない。

 

↑3回目の雪渓入り口。霧で先がまったく見えない

 

霧はますます深くなり、嫌な感じでしたが、方向感覚を失わないよう、ムン!と方角を頭に定着させて雪渓に入ります。

が、行けどもいけども足もとと視界は真っ白、前にも後ろにも人が来ないし、滑りやすそうなところや大きな窪みを避けたりしているうちに下流側やや左に方向がズレた気がし、山地図アプリで確認すると、やはりズレ始めており、下りすぎないよう真正面の対岸を目指す心持ちにして再び歩く。

ずいぶん歩いたように感じるのにいつまでも対岸に着かず、怖くなってきて、心臓はバクバク……。

「遭難」の二文字が頭によぎりはじめた頃、対岸から男子2人組が現れ、パニックに陥らずにすみました。

2人も足跡がまったくない、真っ白な世界に困惑していたようで、お互いの来た方角を指し、私は再びムン!と頭に刻んで進み、土のあるところに辿り着きました。

はあ〜、怖かった! 全神経をこの大雪渓に使い果たしたような心持ちで、どっと疲れが出、軽アイゼンを外すのを兼ねて休憩。

 

↑河原宿から下は花が多い。

上からニッコウキスゲ、ゴザンタチバナ、クルマユリ

 

河原宿でトイレ休憩を挟み、大雪渓を終えてホッとしたのも束の間で、岩の多い下りは歩きづらく、神経を使います。

花が多いのが励みで、コンディションのいい花を撮りながら下っていきます。

 

↑岩の多いコース

 

最後にまた雪渓があり、そのあとどこから登山道に入るのかよくわからずに探し、疲れました。

道は沢の中に続いていて、リボンマークを辿り、湯ノ滝小屋に着きました。

 

↑湯ノ滝小屋

 

いったん湯ノ滝小屋で水を補給したあと鳳来山(ほうらいさん)を経て鳥海山荘に至るつもりの私は、今回のもうひとつのトリ山は諦めて車道で下ろうかなあ……と迷いはじめ、とりあえず昼食にしながら考えます。

地図とにらめっこすると、車道はウネウネとしていて距離が延びるため、迷うなら予定どおり登頂しよう!とよく休憩してから意を決し、再び登山道に入ります。

 

↑ヤブぎみだったところを草を刈ったばかりの印象

 

ネット上に荒れているような情報もあったので心配していたけれど、草刈りがなされたようで、道は細いもののしっかりしています。

登山道に入ってすぐに若者3人組に出会い、先の道の様子を聞きたかったけど、「どこから来ましたか?」の質問に3人で首を傾げている始末で、道についても何も答えてもらえないので諦める。外国の方々かも?

 

↑2、3回くらい見晴らしのいい場所に出る

 

そのあと運のいいことに、地元のトレランのかたに会い、岩が苔むしてツルツルで下りは滑るよと教えてもらいました。

しかも、そのかたは湯ノ滝小屋の主人に挨拶したらまた戻ってくるんで、という。すぐに追いつきます、と。

やった〜!と、すぐに追いつかれないよう俄然ヤル気を出してガシガシ下ります。

マイナーコースのようなので、地元のかたがいるとたいへん心強い。

 

↑ブナ林

 

注意してくれたことを守り、滑りやすい苔岩では慎重にし、あとはスピードを上げて下っていたら、予告どおり追いついてくれました。

早いですね、と感心されましたが、早くしたのだ、笑。

トレランナーさんは、月に3、4回も鳥海山を登っているそうで、山頂は行かないで、好きなコースでトレーニングをしているそうな。

次に登るときは、笙ヶ岳(しょうがたけ)からをオススメされたので、ぜひそうしようと思いました。チョウカイフスマを見忘れちゃいましたからね、笑。

 

↑大沢神社

 

大沢神社の小さな祠と石碑があるすぐ先が横堂で、ここまで私に付き添ってくれてから、鳥海山荘のランチタイムにふれ、軽やかに下っていきました。感謝、感謝。

 

↑横堂の指導票

 

私は横堂から数分先にある鳳来山まで行ってから、横堂に戻り、下山に入ります。

三角点のある鳳来山の山頂は、開拓の方に下るコースからは外れており、木の枝でコースを塞いでありました。

しかし、三角点ラバーがつけたのか道はあり、三角点、山名標識もちゃんとありました。

 

↑鳳来山山頂

 

戻らないでも開拓方向にも道がついていましたから、たぶん開拓へ下る正規コースにつながるだろうと予測されますが、家族旅行村方向に下るほうが早く車道に出られるため、戻ります。

家族旅行村などに泊まるかたのハイキング用か、家族旅行村から鳳来山の横堂までの道々には新しめの指導標がついていました。

 

↑コースの様子

 

バンガローが並ぶ家族村から鳳来山を振り仰ぎ、無事に下山。

 

↑鳳来山を振り仰ぐ

 

↑ヤマユリに見送られる

 

車道を下り、本日の宿、鳥海山荘へ。

玄関脇に足洗い場があり、登山客に優しい。

チェックインを済ませ、速攻でお風呂に向かったのは言うまでもありません。

 

***

 

後日談。

今回観ないで去ってしまったと思っていた、チョウカイフスマ。

この日の朝一番にちゃーんと写真に撮っていました!!

 

↑チョウカイフスマ/鳥海衾(ナデシコ科)

鳥海山固有種

 

私、チョウカイフスマってゴゼンタチバナくらいのサイズを勝手に想像していて、前日も見かけたものの、なんとかツメクサだろうって思って写真に撮らなかったのです(私の中では里におけるハコベ的存在、特別感なし)。

しかしそのなんとかツメクサと思っていた花が、今朝は朝露に濡れて美しいなと思って3枚ほど写真を撮っていたのですね。

だから、帰宅してblogにアップする写真をPCで選ぶ作業をする段階まで、気づかなかったのです(このテキストをスマホに入力していたときも、コース絵図を描いていた段階でも!)。

カメラでなく、PCの画面で確認したときに葉っぱが厚いなと思い、ひょっとしてまさかまさか……!!とようやく気づいた次第。

チョウカイフスマって、ミヤマツメクサなどと同じ、ナデシコ科の群生したかたまりをつくる小さな花だったのですね!!

そんな基礎情報もなく、大アップの星形イメージだけで行ったものだから、見かけたときにわからなかったのです。

写真に撮っていたのは奇跡的幸運でした。

認識せずとも観るという体験を初めての鳥海山でしてきたのですから。

 

鳥海山の旅4につづく

| りこ&とこ | 21:00 | comments(0) | - |
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